煩悩スイム完泳!!
煩悩スイムとは?
煩悩スイムとは、煩悩の数108つをプールで泳いでしまおう!というものです。
私が通っているジムで、そのイベントが実施されると知ったのは、12月初旬でした。一体どのようなスイムなのか気になり、詳細を確認すると、25m ✕ 108本 = 2,700mを1分サイクルで泳ぐというものでした。(上級者は、50m ✕ 108本 = 5,400mを1分サイクル)
この情報を聞いた時、私は普段の練習でさえ100m泳ぐのが辛く苦労していたため、これは無理だろうと考えました。あるコーチに相談すると「それはちょっと難しいでしょう」と言われて、出場を諦めようと思っていました。しかし、心の中で「今年やらなかったらいつやるの?」という気持ちが芽生えてきました。コーチの言葉が頭によぎりましたが、これまで泳いだ経験がある人からのアドバイスで、「完泳できなくても途中から歩いてもいい」という情報を得て安心し、参加を決意しました。
参加を決意〜スタートまで
イベントに参加をするときめたものの、2.7kmも泳げるのだろうか?という疑問が頭によぎりました。 ある日、煩悩スイムイベントが12月29日にあると聞いて、私は少しビビりました。残り2週間しかない!!しばらく水泳から遠ざかっていた私は、とにかくプールに行くことを決意し、ほぼ毎日ジムの水泳教室に通い、何としてもレースに間に合わせようとしました。 そこで感じたのは、本当に自分は完泳できるのだろうか、という不安でした。
でもやるからには絶対に完泳するのだと決め、ほとんど全種類の水泳教室のクラスに参加し、長距離を泳ぐのに必要な準備を整え、イベント当日を迎えました。
午後4時スタートだったので、私は約20分前にプールに入り少し体を水に慣らしていました。
しばらくすると、何人かの水泳コーチも5分前ぐらいに集まって来ました。驚いたことに若いコーチたちは、スタートギリギリまで結構話をして、はしゃいで騒いでいました。スタート1分前なのにこの余裕は何だ!!。神経が図太いな!!と感じていました。
これから108本も泳ぐなんて信じられない。まるでマラソンレースのスタート直前のような緊張感に包まれていました。そして運命のスタートの合図がありました。
レース中に考えたこと
まず1本目から楽に泳ぐことに専念しました。 25mごとに1分 サイクルなので、ゆっくり30秒ぐらいかけて泳ぎ、 残りの30秒は休み、そしてまた泳ぐ、の繰り返しでした。 この時に思ったのは、初めてフルマラソンを走った時の辛さに比べたら、煩悩スイムなんて大したことないということでした。コーチが25m毎にスタートの合図をしてくれたことで、長い距離をリズムを乱さず泳げたのは良かったです。
泳いでいる最中に心がけたのは、私の手の先に1万円の札束が積み上がっていて、その”札束の山をできるだけたくさん手前に引き寄せるんだ!!”というイメージを持ったことでした。少し疲れた時、もう一人の自分が「お前はお金が欲しいのか?」とささやきました。その時、自分は即座に「YES I DO!!」と返答し、水の中の札束をたぐり寄せるんだと言い聞かせていたら、知らないうちに半分以上泳いでいました。お金の力は凄い!!
全体の半分の時間を泳いだ時も疲れはあまりなかったのです。ただ単調な水泳のレースはいつまで続くんだろう?早く終ってほしい気持ちも湧いてきました 。
不思議なことに、途中から1掻きでも 「スーッと進んでいく」感覚がつかめるようになりました。 つまり、煩悩スイムを泳いでいるうちに、自分の水泳能力が向上する手応えをつかんだのです。 そして100本を超え、あと8本のカウントダウンが始まりました。
完泳した瞬間の喜び
知らないうちに 100本を超え、残りはあと8本か・・・ということは残り200m。これは水泳教室で泳いでいるレベルの距離。でも最後まで何があるかわからないという緊張感もありました。その理由は、隣のコースでは足が痙攣してしまって途中脱落してしまった方や、泳がずに歩いている方もいたからです。
そして、残り25m!!でもゴールした瞬間は、どんな感動の景色が待ち受けているのか?
まさか最後には痙攣で完泳できず・・・といった格好悪い自分は見たくない。一抹の不安が頭によぎりましたが、ついにゴール!! 1時間48分の間、ずっと泳いでいてほぼ全員一斉にゴールという煩悩スイムならではの感動がありました。ゴールした瞬間は、みんなで拍手して喜びを分かち合いました。
参加者それぞれの目標は違うものの、例年より多くの人が参加し、盛り上がってとても良かったです。コーチの皆さんや、水泳の仲間たちに感謝します。
まとめ:流れに乗るために大切なこと
無事煩悩スイムを終え、私が感じたことは、「何事も経験してみるまで実態はわからない」ということです。 今回の経験から得た教訓としては、以下の通りです。
1)何事も新しいことに取り組むことで貴重な経験が得られる。
2)次回また・・・という先延ばしをすると、結局何も行動ができなくなる可能性がある。
3)ハードルが高いと思われる目標を達成するには、できる範囲のことをまずやってみる。
4)難しいと感じられる物事を達成するためには、得意なことでいい感触を得て、その勢いに乗って別の物事に取り組む。
5)挑戦という言葉は新たな決意や意欲といった言葉に縛られてしまう可能性があるので、日常的に頻繁に使うことは控える。
煩悩をスイムを通じて、自分の心の中にある 煩悩を年末に取り払い、新たに迎える 2024年(令和6年)に向けての勢いをつけるきっかけとなる最高のイベントになりました。
今回の「煩悩スイム完泳」を機に「いい流れを別の分野に展開する」という「自分なりの型」を今後も貫いていきたいと思います。来年も素晴らしい年になりますように!
みなさんも良いお年をお迎えください。