ウクライナ紛争、今世界で起きていること
ウクライナ紛争
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻による戦争はまだ終結していない状況です。私は、この戦争が始まってからのメディア報道と実際の事実が異なっていることに疑問を抱いてきました。
多くの人々は、ロシアのプーチンが悪であり、ウクライナのゼレンスキーが可哀想と考え、支援を続けなければならないという善悪二元論に陥り、意見の多様性が欠けた状態で世論が形成されてきました。この0対100という異常な状況には、私だけでなく多くの人も違和感を抱いていると思います。
正確な世界情勢を把握するためには、アメリカのネオコン(アメリカの国益や実益よりも思想と理想を優先し、武力介入も辞さない思想)が戦争で利益を得るための存在を排除しなければ、この戦争の本質を理解することはできません。
なぜ私たちの思考が片寄ってしまうのか、情報の視点、歴史的視点、日本の視点から、自分の知識の範囲内でウクライナ紛争を中心に考察してみました。
メディアの洗脳
私たちは無意識のうちにメディアの報道に洗脳されていることに気付かず、自分の意見を持っているかのように思い込んでいます。しかし、これらの意見は自分自身で考えた結果ではなく、ほとんどがメディアの報じる内容を鵜呑みにしている結果です。
日本メディアの報道方針は、主にアメリカやイギリスの主要メディアを所有または影響力を持つ人々によって決められています。
北野幸伯氏は、モスクワ国際関係大学を卒業、モスクワに28年間滞在し現在は日本で言論活動をされています。彼によれば、世界には英米、欧州、クレムリン、中共、イスラムといった5つの勢力ごとに情報ピラミッドが構築されており、それぞれの勢力に都合の良い情報のみが流されていると言われています。
日本のメディアは、主に米英情報ピラミッドからの情報、主に左派メディア(CNN、ABC、NBCなど)の情報をコピーして伝えています。私たち日本人は、それが正しい情報であると信じ込んで受け取っています。
私たちは、目隠しをされ、特定の方向に視界を制限され、視野の狭い覗き窓から世界の情報を見せられているような状況にあると言えます。
歴史を知って世界を知ること
アメリカのネオコン勢力(アメリカの国益や実益よりも思想と理想を優先し、武力介入も辞さない思想を持つグループ)は、ウクライナ戦争の背景に関与しており、彼らはグローバリズムを推進し、世界統一政府を目指しています。彼らはロシアのナショナリストであるプーチンを批判し、世界各地で反プーチン運動を展開しています。このような視点から、ウクライナ戦争を歴史的な視点で見る必要があります。以下、約9年前からの歴史を振り返りました。
2014年、ウクライナでは反政府デモが勃発しました。当時のヤヌコビッチ大統領は親露派でしたが、この反政府デモにはネオコンのビクトリア・ヌーランドも介入していました。結果として、ヤヌコビッチ大統領はロシアに追放され、暫定政府が樹立されました。ウクライナはネオコンとネオナチ(右翼の排外主義過激派団体)によって支配されるようになったのです。
暫定政府はロシア系住民に対する迫害を始めました。特にコロモイスキーというユダヤ系大富豪が力を持つようになり、彼はアゾフ大隊という私兵集団を組織し、東ウクライナのロシア系住民を惨殺し続けました。このような反ロシア的な動きに対し、プーチンは2014年3月にロシア系住民が7割を占めるクリミアを併合しました。しかし、クリミア併合後もロシア系住民への迫害は続き、「オデッサの虐殺」などの惨劇も起きました。この事例はYouTubeでも確認できます。
その後、2014年5月に実施された大統領選挙でポロシェンコ氏が選ばれ、その後2015年2月に「ミンスク合意」が締結されたことにより、彼の政策はロシア系住民に影響を与えました。
ミンスク合意はウクライナ東部の親露勢力とウクライナ政府との間で交わされ、ウクライナ東部での包括的な停戦(①)および親露派武装勢力が占領するドネツク・ルガンスク州の一部に幅広い自治権を持つ「特別な地位」を与えること(②)が合意されました。しかし、ミンスク合意は守られなかったのです。
この合意はユダヤ系投資家でありネオコンの代表的存在であるジョージ・ソロスの逆鱗に触れました。彼は「停戦合意によって民主化運動は失敗した。停戦合意は破棄されるべきだ。EUはウクライナに対して、ロシアと戦争ができるように軍事援助すべきだ」と結論づけました。
ネオコン勢力にとって、ウクライナの安定発展は目的ではありませんでした。彼らの真の狙いは、ロシア系住民を保護する名目でプーチンにウクライナへの軍事介入を促し、戦闘の泥沼化を引き起こすことで反プーチン運動を世界的規模で展開し、プーチンの失脚を狙ったのです。
こうした背景の中で、NATOは東方拡大を進め、メディアを通じてプーティンを悪者として描き、孤立させる戦略を展開してきました。バイデン政権は「ロシアがウクライナに侵攻する」と扇動しました。バイデン政権に関与しているネオコン勢力による戦争扇動があったため、プーチン大統領はロシアの安全保障のためにウクライナへの軍事作戦を決断した、というのがこの戦争の経緯です。
参考書籍:「ウクライナ紛争 歴史は繰り返す」・「世界を操る支配者の正体」馬淵睦夫著
G7サミットの平和とは何なのか?
先日、広島で行われたG7サミットでは、岸田総理のお決まりのフレーズが登場しました。「力による現状変更の試みは許さない」という言葉は、西側世界全体で共有されており、私たちの思考にも影響を与えていると考えられます。
サミットでは、各国の要人が原爆の悲惨さを再確認できたことは良かったと言えます。ただし、広島と長崎に原爆を投下したアメリカは、日本の一般市民を大量虐殺した事実を真摯に受け止め、謝罪すべきです。核廃絶を目指す試みは、本質的には原爆を使用した国が責任を取らない限り、解決が困難な理想論に終わってしまいます。
岸田総理はウクライナの国民に寄り添うと言っていますが、もし本心であるならば、アメリカのネオコンに従ったウクライナ支援は、戦争を長引かせロシアとの関係を悪化させるだけであり、問題の解決にはなりません。必要なのは、空虚な言葉の繰り返しではなく、犠牲者を減らすために戦争を早急に止めるための努力です。
ウクライナへの武器支援によって戦争が長引けば、人命が失われ、エネルギー価格が上昇し、その結果、国民への増税という形で逆に影響が及ぶことになります。岸田総理がテレビに頻繁に登場するだけで、内閣の支持率が上がる状況は残念です。これは、多くの人が雰囲気に流され、本質を見ずに、メディアやG7の主張が全て正しいと信じ込んでしまうことによるものであり、グローバリストを代表する国際機関が世界の正義であるかのような誤った錯覚が生じていると考えられます。
まとめ:どう情報に向き合い、何をすべきかを考えること
最後に、メディアとの関わり方について、アメリカの保守系メディアFOXニュースで長年コメンテーターを務めていたタッカーカールソンが述べた言葉を紹介したいと思います。
「私たちがメディアから受け取るニュースは嘘だらけであり、事実は意図的に隠されている」
現在私たちが認識すべき重要なことは、メディアが「大衆の思考をコントロールするための洗脳装置である」という自覚を持ち、情報を客観的に見るために一歩引いて考えることです。人々は最初に受け取った情報を真実だと信じてしまい、その後の修正が難しくなる傾向があります。
目にする情報には十分な注意を払い、気になったら自ら調査し、他の人との議論を通じて情報を検証することが求められます。もし間違いがあれば修正し、真実を見極める努力をする必要があります。
大切なことは、個々人が真の歴史を学ぶことの重要性に気付き、日本の素晴らしさに目覚め、日本人であることに誇りを持ち、日本の国益とは何かを考えることです。このことは、未来を担う世代へ良い日本を維持していく私達の責務であると考えます。