気づいている?英語教育の課題!
教える中でわかったこと
私は学習塾で様々な科目を教えています。その中でも、生徒の勉強の悩みの多くが英語と数学であり、私もこの2科目を中心に多くの生徒に教えています。なぜなら、この2科目は、特に基本がしっかりできていないと成績向上が望めないないからです。
最近、私は英語を教える中で気づきがありました。これは今の学校教育の問題点でもあるのでは、と自分なりに考察をしてみました。
中学生の優秀な生徒や、高校生ともなれば、当然英語力はしっかり身についていると思っていました。ところが、ある分野の能力が欠けているために、トータルの英語力のバランスが悪い生徒が多いことに気づいたのです。
その分野とは、・・・・・”発音”でした。
生徒に英文を読んでもらうと、意味は分かっていてもきちんと発音できない生徒が意外にも多いのです。私は英語の発音・スペリングはできて当たり前と思っていましたから、この分野だけなぜ不得意なのか疑問でした。
中学生だった頃の私が抱えていた疑問
私が中学生だった頃に遡って、自分自身を掘り起こしてみました。当時は、ネットもない時代。中学1年で教科書を渡された時の印象は、教科書の内容のほとんどが会話文、ということでした。
授業では会話文を学ぶ際に言葉に出して覚えるのではなく、教科書の内容を黙読で理解していたのです。自らが発音して話す機会があまりなかったと記憶しています。この勉強方法で英語は身につくのか? 何か間違っている、と当時から思っていました!!
英語を母国語としているネイティブは、両親や周りの身近な大人が話す内容をしっかり聞いた後に、自分で会話を声に出して覚えていきます。話す内容を覚えてから、正しい文法の理論は後から学校で学んでいます。
その点、周りにネイティブで話す外国人がいない日本人は、学ぶ時にはハンディがあります。ではどうやって正しい英語を身につけていくの? なぜ会話文を会話をせずに最短で身につけられるのか?が、当時の私の最大の疑問でした。
学校での勉強法の問題点:私の考え
私は生徒に時々質問をすることがあります。
”学校では発音・意味とスペリングを一致させる学び方はしているの?” と聞くと、あまり重視していないらしく、はっきりとした”YES”の答えが返ってきません。
周りの先生を見ても発音を重視してる様子もなく、とにかくテストで良い点が取れれば良いとみなしている傾向にあります。この方法で高校卒業した時に、英語を話すことができるようになるのか? テストの点数を取ることだけに終始して英語は楽しいのかなって思います。
英語力は問題をやるから力がつくのではない。実践にできるだけ近い場面を想定して、トレーニングをたくさん実施するから身につくのだということに意識が向けば、もう少し生徒の英語力が伸びるのではないかと考えています。
私が考える効果的勉強法
私自身が体験し効果があった英語の勉強法を思い起こしてみました。
私は、ある程度の英語の構造を理解した時点で、自宅の部屋の中で、実際の会話に近い形でのトレーニングを楽しんでいました。発音はラジオ講座を聞いて学んでいました。
例えば、AさんとB さんの英語での会話をしている場面では、自宅の部屋の中で、自分自身が「Aさん」「Bさん」になりきって体を動かして話す。動作をしながらその人の感情も考えて演技をしていました。そして、自分の生活範囲内で自分なりに英文を作ってとにかく口に出して覚えていたことを思い出しました。
文法では、間接話法・直接話法で悩む生徒も多いのですが、この訓練をしていたおかげで、英語に苦手意識を持つことはなく理解できていた記憶があります。教科書を参照しながら「意味+発音+スペリング」を完全一致させる練習をしているうちに、教科書の内容をほぼ完璧に覚えられるまでになりました。
正しい内容をきっちり覚えていること
英語の勉強は正しい味を知ること???
もしあなたが和食が好きだったとします。その時に日本料理の一番美味しいという評判の店に行って食べたら、その味は絶対忘れないでしょう。
そして、たまたま別の和食を食べた時に、自分が体験した最高の味と比べた場合、「ちょっと味が落ちるな〜」などという自分なりの味の”モノサシ”ができるのです。もし食事中にちょっとでも違和感のあるものを口にしたすると、「これは違うぞ」と思って食べる事をしなくなります。
これと同じように、英文法を理解した後は、自分の最も覚えやすい形での例文を選んで、その文を完璧に覚えてしまえば、もし正しくない英文に出会った時には、間違いが即わかるのです。
つまり、間違った表現を使うこともテストの選択肢で選ぶこともありえないことになるのです。
トレーニングの重要性
私の英語の勉強は、まるでスポーツをやっている感覚で、単純に口を動かすだけ。その点、他の科目よりもはるかに勉強はしやすいというのが私の印象です。一度パターンを覚えてしまえば悩まなくてもいいからです。
注意点は一つだけ。基礎がきっちりしてることはとても大事です。スポーツでは、基礎体力ができていないと、試合にも勝てないように、しっかりした文法の基礎の土台のもとで、例文を理解していて、その上にはじめて、長文読解や正しい発音が出来ると思っています。
今は、インターネットを使えば、発音がいつでも確認できる便利な時代になりました。だから正しい発音を確認したら自信を持って話せばいいのです。
スポーツで例えるならば、テニスでボール出しをしてもらって、何度も同じコースを狙えるまで繰り返し打つ練習をするのと同じようなものです。
そこができてしまえば、後は別のパターンを使って応用練習をするだけ。スポーツ感覚で口を動かしていると知らないうちに覚えてしまうと思っています。
まとめ:受験生へのメッセージ!
これから本格的な受験シーズンに突入し、 受験生にとっては最後の追い込みをかける時期に突入しています。
苦しいときは、スポーツやその他のことで自分が今まで頑張ってきた経験を思い出し「普段の部活の練習と同じことだ」と考えればいいでしょう。今、私は毎日、授業で対面する生徒達を励ましながら一人ひとりに合った指導をしています。
毎日の努力は裏切らない!・・・ 最後までベストを尽くして頑張れ!受験生!