学ぶことに対する心構え

本格的な受験シーズン真っ只中。日常的に生徒と触れ合う生活をしている中で、10代の中学生・高校生にとって、人生の最初の試練である受験及びそのための勉強という観点から、私が感じたことを述べたいと思います。

試験問題に取り組む姿勢:3つのタイプとは?

時々生徒の模擬試験の監督官をすることがあります。そこで思うのは、試験問題を解くときに、生徒の個性が主に下記の3つのタイプに分かれることに気づきました。

1)わかっている問題をできるだけ早く解いて、わからない問題はあえて取り組むことはせず、そのまま目を閉じて終了まで待つタイプ。

2)生徒は最初の問題からしっかり時間をかけ、時間を目一杯使って正確に解いていくタイプ。 

3)問題を見た瞬間、すでに難しいと諦めてしまっているタイプ。

このように、試験監督をすることで、試験問題に対する向き合い方の違いを明確に知ることができたのです。 生徒による問題の解き方のスタイルは幼い頃からの環境であったり、生徒自身の生まれ持った性格であったりするわけです。

試験で生徒が取り組んでいる様子を見ていて、私が学生の頃を思い出しました。私は、じっくり時間をかけて問題を解くタイプだったので、いつも時間ギリギリまで粘っていました。 時々時間切れになることもありましたが、しっかり考えて解いた問題は、確実に正解できていたことを思い出しました。

普段の学習における気づき

私が生徒を教えているときに、多くの生徒は、問題を解いていて、難しい問題に直面すると、考え込んで手が止まってしまいます。そして結局答え合わせの時に、赤ペンで正解を書き入れ、わかったという感じで終わらせ次に進もうとします。 

そこで、すかさず私からの質問が生徒に向けられます。同じような問題がテストに来た時に、これを完璧に正解できる自信はあるの?と聞くと「それはありません」と答える。 でもあなたはテストの点数を上げたいんでしょ?と聞くと、「まさにそのとおり」といった顔をしてうなずくのです。

ではどうするのか?

そこからが講師の腕の見せ所。私は「その答えを導き出すために最初に学んだ教材をとにかく取り出し、そこを見ると必ず答えが見つかるよ・・」と教えています。なぜなら人は最初に受け取った情報を正しいと信じ、その認識を変えることは難しいからです。

そしてその最初に受け取った情報こそが記憶の中枢に入り込み、後から思い出す際に役立つのです。

例えば教科書を眺めていると、この内容は授業でやっていたな〜・・・この時は先生がこんなこと説明していたな〜、友達がこんなことを質問していたな〜という記憶が蘇ってくるからです。意外なことですが、生徒を観察していると問題集に取り組む時には、問題集の問題と答えだけを見て理解できた、理解できないの判断をしてしまっているのです。

そのため私は「基本に帰れ」あるいは「教科書に書かれている場所に戻りなさい」ということを常に言っています。

不器用さが生んだ独特の学習方法 

私自身は、勉強に苦労してきました。人よりかなり時間をかけて、物事をマスターするタイプかもしれません。それはなぜか?自己分析をしてみました。

一つには、勉強に対する集中力が今一なこと、更に、情報を一度で理解する能力が欠けているのかもしれません。あえて別の視点も加えるなら、「なぜこれがこうなるんだろう」という疑問を感じてしまい、素直に理解が進まない傾向があります。そのため、別の切り口からどうやったらこのことを理解できるかという試行錯誤をしてしまうのです。

 一度で理解できないという私の欠点を補ってくれるのは、さまざまな情報・書籍であり、多くの時間を様々な情報に触れ、寄り道をしています。これをすることで学習時間はかかりますが、色んな角度から一つの物事を考察することができるというメリットがあります。

学生の頃を思い返してみると、私が学んでいたクラスに、参考書などは参照せず学校の先生の言うことをしっかりノートに書いて、教科書の内容のみを忠実に学習し、テストで好成績をおさめていた人がいました。当時はその人のことを羨ましく思ったことを記憶しています。でも、今となっては私自身の勉強のスタイルも悪くないなって思えるようになりました。

”わからない”が生み出したメリットとは

物事を一発で理解できなかった自分にとって、最大の効果を発揮する場所があります。それは生徒を指導する場面です。

生徒がつまずいている場面は、私がほとんどの学習過程で経験してることだったのです。そのためつまずいている箇所を予測して、原因分析をして提案をします。「これはこうやった方がいいんだよ」ということをアドバイスすると、アドバイスを受けた生徒は目を見開いてそのやり方を真似することで、どんどん成績を上げていくのです。

中には、アドバイス通りできない生徒もいるのも事実ですが、言われたことを忠実にやる生徒の成績は確実に伸びているのを実感しています。

 大人の学びは、他力本願?

自分自身も学びの真っ最中です。今の中学生・高校生はどうしてこんなに多くのことを学んで記憶に残していけるのだろうか、それに比べて私は一つのことをやるのにも精一杯。この理由を考えていました。

それは、学校には時間割が決められた授業があり、指定された時間内ですべての授業を終えるというプログラムがとてもうまく機能しているからだと考えます。当たり前といわれればそれまでですが、これが学校に行くことの最大のメリットでもあり、自宅では得られないことだと感じています。

自宅で勉強する時にどうしたらもっと多くのことを学べるだろうかと考えました。それは学校のシステムに近い形を再現するということです。

社会人は時間があまりありません。ならば、家にいる時間を他人から強制されて学ぶというシステムにしてしまえば良いのでしょう。

この時登場するのはオンライン、それもライブ中継がある学びの場です。 ネット環境がある人であれば、強制的にその時間は、画面に向かうことになります。何曜日何時からは〇〇の時間、という形で、学ぶ事柄を決めてしまえば生活スタイル全体が変わってきて、他人に報告するプレッシャーもあり、強制的にでも学びの時間を作れるというものです。

このことに気づいてから、「他力本願」を前向きに捉えることができるようになったことは、人生における大きなメリットだと感じています。

まとめ:今年の意気込みを漢字で表すと?

皆さんは今年の目標を漢字一文字で表すとしたら何としますか?

私は挑戦の「挑」にしました。何事にも挑む。そして、高校生のように学びを楽しんでみる。そして今年が終わる12月には、とても良い一年だったと言えるようにしたい、と思います。

人生の教訓や学びに関して、多くの人がことわざを残しています。最近、私自身がいろんな物事に挑戦している過程で、気付いたことを自分なりの言葉にまとめました。

「うまくできない自分は責めるな、でも続けられない自分自身に気付いた時は、反省し改める努力をせよ!」

私自身がいろんな経験を積んできた中から紡ぎ出した言葉でもあり、これが最近の自分の精神的拠り所になっています! 私自身が作り出した「座右の銘」ともいえるでしょう。

今年が始まって半月以上過ぎました。1年はあっという間だからこそ、常に挑戦し続ける自分であり続けたい。そして「有言実行」で、グレードアップした人生を送っていきたいと思います。

先日、学びの速度が落ちてるな・・と悩んで、PCの前に座って、ぼーっとしていたら、画面に「自動アップグレードしますか?」の表示がでてきたので、早速更新しました。

この表示は、自分自身の能力も更新していかないと時代遅れになってしまう!という気づきを与えてくれます。だからこそ、私にとって「挑」という漢字は、意味があるものになっています。

また、様々な挑戦の結果を、このブログにも綴っていきたいと思います!

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