ザ・コアフォーラム2025夏・東京ステージ参加して

2025年6月29日、東京虎ノ門ニッショーホールで開催された「ザ・コアフォーラム2025夏 東京ステージ」に参加しました。ザ・コアフォーラムは「日本と世界を変える」を掲げ、反グローバリズムの中心的な運動として東京・大阪で開催されています。

東京ステージのテーマはロシア情勢。プーチン大統領は「現代のグローバリズムは新植民地主義であり、人々の思考を奴隷化している」と述べました。及川幸久さんも「支配されていることに気づいていないことが問題」と語っていました。

今回は非常に貴重な登壇者の話を直接聞ける機会であり、私は迷わず参加しました。イベントは以下の3部構成で進行しました。

伊藤貫先生の基調講演:グローバリズムと国際政治を読み解く講義

講演は「グローバリズムとは何か?」という問いかけから始まりました。私たちが「当たり前」と思ってきた国際秩序は、実は西側主導のグローバリズムによって形成されてきたものであり、いま崩れつつあるといいます。

国際政治に必要な「パラダイム」

伊藤先生は、メディアの表層的な報道ではなく、国際政治の理解には「パラダイム=思考の枠組み」が不可欠だと説きます。制度学派とリアリズム学派という対比を例に、視点が変われば世界の見え方も変わることを示されました。

ロシアはしばしば欧米から「野蛮」「時代遅れ」と見なされますが、それは文明観の違いであり、ロシアは独自の価値観を持つ存在だと強調されました。

日本の核抑止力と理想主義への懸念

核兵器を着々と増産する中国や北朝鮮に対し、日本は今なお「核廃絶」の理想にこだわり続けています。伊藤先生はこれを「小学生の生徒会レベル」と批判し、「核リスクが高ければ、アメリカは日本を助けない」と明言されました。

日本の善意や道徳主義は、現実の安全保障には何の力にもならない──その危機感が鮮烈でした。

メディアと保守層の「知的怠惰」

日本の大手メディアだけでなく、保守系メディアもアメリカの意向を恐れて本質的なテーマから目を背けています。靖国参拝やLGBT法案などの象徴的議題には声を上げるのに、国防や核戦略には触れようとしない──これが伊藤先生の指摘する「ごっこ遊び的な愛国心」なのだと理解しました。

✍️ 感想

「本当に大切なことでは皆が黙ってしまう」──この構造は、保守もリベラルも共通しています。「筋の通った保守思想」が日本にどれだけ存在するのか、深く考えさせられました。

パネルディスカッション:ウクライナ紛争の背景と和平への道

パネルでは、ノズドレフ駐日ロシア大使、鳩山由紀夫元首相らが、ウクライナ戦争の本質について語りました。

紛争の出発点は「2014年」

多くのメディアは2022年の軍事作戦開始を出発点としますが、登壇者は一貫して「2014年キエフのクーデターが発端」と指摘しました。憲法違反の政変後、ロシア系住民への弾圧が始まり、クリミアは住民投票でロシア編入を選択。ドンバス、ルガンスクでも自衛の動きが加速しました。

ミンスク合意と西側の「時間稼ぎ」

2015年のミンスク合意について、ロシア側は和平を期待していましたが、欧州側は軍備増強のための時間稼ぎとして利用していた──そう語られました。メルケル元首相もその意図を認めています。

潰されたイスタンブール和平交渉

2022年3月、イスタンブールでの和平交渉は95%合意に至っていたものの、ジョンソン英首相の介入により頓挫したとされます。ロシア側は戦争を避けたかったにも関わらず、外圧で和平の道が閉ざされました。

鳩山氏が現地クリミアで聞いた「自由意志による住民投票」という証言も、メディア報道とは異なるものでした。

✍️ 感想

メディア報道だけでは伝わらない事実に、やっと出会えた気がしました。長年感じてきた違和感の正体が、今回の議論で明らかになったように思います。

対談:ニキータ × 及川幸久ロシアから見た「主権国家」

30年以上ロシアに住むニキータさんとの対談では、ロシアから見た世界観、そしてプーチン大統領の位置づけが語られました。

法治国家への変革

90年代のロシアは“金とコネ”が支配する人治国家でしたが、プーチン政権が法治国家化を進め、国家の枠組みを整えてきたという話が印象的でした。

西側依存からの脱却

ロシアは今や西側の枠組みに頼らない「主権国家」としての立場を確立しつつあり、BRICSやグローバルサウスと共に新しい世界秩序を築こうとしています。

日本へのメッセージ

ニキータさんは、「日本はアメリカへの従属から抜け出すべき」と語り、文化的にもロシアと日本は親和性があると述べていました。モスクワから「ロシアと日本が手を組む未来」を心から願っているという言葉が心に残りました。

✍️ 感想

「主権国家」という言葉の重みを改めて感じました。国家も個人も、自分で考え、行動する力がなければ、いつまでも支配されるだけなのだと実感しました。

東京ステージ総括:自由な対話が日本を動かす

最後に及川幸久さんが語った「シナリオなき自由な対話」の価値は、まさにこのイベント全体を象徴していました。

この3年間、ロシアについて正しい情報発信をしてきた及川さんが“工作員”扱いされた現実と、それがようやく理解され始めたことに、時代の変化を感じました。

まとめ・感想

「情報を受け取るだけの時代」は終わりました。これからは、自ら学び、考え、選ぶ時代です。今回のフォーラムを通じて、私は「主権国家・日本」を本気で目指すための覚悟を、あらためて心に刻みました。

5時間のセミナーはあっという間でした。終了後の会場には、「日本を自分たちの手で守る」という熱意があふれていました。

この貴重な機会を与えてくださった及川さん、登壇者の皆様に心から感謝します。そしてこれからも、学び続けていきたいと思います。

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