「主権回復73年目の特別講演会」に参加して

はじめに

1952年4月28日、サンフランシスコ講和条約の発効により、連合国による占領が終了し、日本は名目上の主権を回復しました。この日を記念して制定されたのが「主権回復記念日」です。
4月28日には星陵会館にて「主権回復73年目の特別講演会」が開催され、私も参加してきました。各分野の専門家による講演を通じて、日本の現状と未来、そして「主権」とは何かについて改めて深く考えさせられました。

それぞれの登壇者の講義内容

隠された歴史と主権意識の喪失

――茂木誠先生の講演より

茂木誠先生は、日本人の「主権意識」がいかに希薄化してきたかを、歴史と教育の視点から解き明かされました。

まず、学校教育では「日本国憲法の三本柱の一つは国民主権」と教えられてはいるものの、その本質――つまり「主権とは何か」という最も重要な部分は、ほとんど説明されていません。

主権とは、他国に頭を下げない、地上における最高の権力です。主権国家とは、本来、いかなる外国にも従属しない独立した存在であるはずです。しかし、現実の日本はどうでしょうか。歴代の首相は訪米してアメリカ大統領に頭を下げ、80年近く外国軍が日本に駐留し続け、さらには外国人が自由に土地を購入できるという状況です。

こうした状態で、日本が果たして真の主権国家と呼べるのか――茂木先生は明確に「違う」と断言されました。

そして、なぜ国民がこうした状況に対して声を上げられないのか。その理由は、教育が「真の独立」や「国家の誇り」の重要性を伝えてこなかったからだと指摘されました。国を持つとはどういうことか、自らの国を守るとはどういうことか――それを知らずに育った結果、主権意識が育たず、国家観も失われているのです。

茂木先生はさらに、主権国家と対極にある考え方として「グローバリズム」の問題を取り上げました。
グローバリズムとは、国境や民族の違いを超え、世界を一つの統治構造でまとめようとする思想です。古代の例としては、東の漢王朝、西のローマ帝国が挙げられました。ローマがガリアに侵攻した際、ガリアの英雄ウェルキンゲトリクスは、自国を守るために命がけで抵抗しました。

この「グローバリズム vs 独立国家」の構図は、日本の神話にも通じています。神武天皇の「東征」において、現地の長脛彦(ながすねひこ)が抵抗したエピソードは、外来勢力と土着勢力、支配と抵抗という歴史的な対立構造を象徴しています。

茂木先生は、日本の神話や古代史を正しく学ぶことこそが、自国の「独立」や「国家の存在意義」を理解する鍵であると強調されました。日本人はこれまで、幾度となく外圧と対峙し、独立を守り抜いてきた歴史を持っています。今、その誇りと覚悟を、もう一度私たちが取り戻す時だと語られました。

私の感想

茂木先生の講演を通じて、「主権とは何か」という問いに改めて向き合うきっかけを得ました。日常の中で、主権という概念を深く考えることなく過ごしていますが、国家の独立や誇りを考える上で、それは決して曖昧にしてはならないものだと強く感じました。

また、世界の歴史や日本の神話・古代史を学ぶことの重要性も再認識しました。過去の出来事や思想には、今の私たちが抱える問題に立ち向かうための多くの示唆が込められているからこそ、歴史を知り、現在に生かす姿勢を持つことが、これからの日本にとって不可欠だと感じました。

 日本が国際社会で生き残るための三つの条件

――伊藤貫先生の講演(ビデオ講演より)

伊藤貫先生は、これから激動する国際政治の中で日本が真の独立を確保するために、次の3つのポイントが不可欠であると述べられました。

① 独立した抑止力の確立

米軍に依存するのではなく、自主防衛体制を築き、核抑止も含めた現実的な防衛力を真剣に検討すべき段階にあると指摘されました。

② 外交におけるパラダイムの構築

外交方針を他国に依存するのではなく、日本独自の立ち位置と戦略的視点を持つことが求められます。自国の国益を基盤とした主体的な外交の枠組みを構築することが不可欠です。

③ 日本人の精神構造の改革

最も根本的な問題は、日本人の内面にあると指摘されました。
現在の日本では、「人類皆兄弟」のような観念が強すぎるあまり、国家の枠を超えて他国への過剰な配慮が無意識に働いています。その結果、自国民を第一に考える意識が希薄になり、「自他の区別」があいまいになっているのです。

一方、アメリカは近年「国家利益最優先」へと明確に舵を切っています。それに対して、日本の政治家・官僚・メディアは依然として思考停止のまま、米国追随を続けています。

世界がまるで戦国時代のような厳しい状況に突入している今、日本だけが「平和ボケ」のままでいることは致命的です。必要なのは、「独立国家としての覚悟」を取り戻すことだと伊藤先生は強調されました。

私の感想

伊藤先生の講演を聞き、特に「精神構造の問題」の指摘に深く共感しました。
日本人同士で語る内容と、対外的に示す姿勢は、本来分けて考えるべきです。国家としてどうあるべきか、私たちはもっと真剣に向き合わなければならないと感じました。

仕組まれた日本弱体化政策と保守派の現状

――ジェイソン・モーガン先生の講演より

モーガン先生は、4月28日の「主権回復記念日」を、むしろ「主権喪失の日」として捉えるべきだと語りました。
戦後の日本には、ワシントンによる巧妙な情報・心理戦が仕掛けられてきました。敵国の宗教や文化の核を侮辱し精神を打ち砕く――これは戦略的な弱体化政策の一環であり、靖国神社や皇室への攻撃(たとえば人間宣言の強制)もその一部と位置づけられます。

皇位継承問題を含む皇室の権威低下も、偶然ではなく計画的なものであると先生は指摘します。
そして、こうした状況を正当化してしまっているのが、アメリカの言論を無批判に受け入れ、自らの手で自国を攻撃してしまっている「保守派」だと警鐘を鳴らしました。

日米同盟を妄信し、米国の要求に唯々諾々と従うその姿勢は、もはや「在日日本人」と呼ぶべきだとまで断言。
真の独立には、皇室を精神の中心とした国民運動を立ち上げ、「精神の復興」が必要であると結論づけられていました。

私の感想

特に強く印象に残ったのは、日本を守るはずの保守派が、むしろアメリカの価値観を盲目的に受け入れてしまっているという現実でした。
その従属的姿勢は、国家の精神的自立を危うくするものであり、重大な責任を問われるべきだと感じました。

ウォール街支配と日本解体への具体的脅威

――林千勝先生の講演より

林千勝先生は、戦後の日本が「ウォール街」や国際金融資本による支配体制の下に置かれてきた現実を強調されました。そしてその背後には、日本という国そのものを解体しようとする計画的な意思があると指摘されました。

たとえば、トランプ元大統領の関税政策は、グローバル支配体制=ニューワールドオーダー(NWO)に対抗する思想的な行動だったと説明されました。また、アメリカ合衆国憲法そのものが、金融支配層による少数独裁を可能にする仕組みであるという見解も示されました。

日本では長らくこの支配構造の中で、中間層の解体、人口減少政策、消費税の増税、家族制度の崩壊が進められてきたといいます。これらは偶発的に起きたのではなく、「日本の弱体化」を目的として計画的に進められてきたものだとされます。

現在進行中の具体的な脅威として、以下の点が挙げられました:

  • ワクチン接種を通じた人口削減(ジェノサイド)
  • 食料自給率ゼロ計画
  • 消費税25%への引き上げ構想
  • 大規模な移民導入による人口置換
  • 家族制度の破壊(夫婦別姓の推進、LGBT政策の拡大)

国連のシミュレーションでは、日本の移民比率を39%にまで高める想定がなされており、これを放置すれば、日本の文化も民族も解体されてしまうと警鐘を鳴らされました。

さらに、WHOが改定を進める国際保健規則(IHR)によって、日本の国家主権や基本的人権が侵されるリスクも目前に迫っているとのことです。原爆やワクチンは「科学」の名のもとに大量殺戮を正当化するためのプロパガンダとして利用されてきたとする視点も提示されました。

こうした中で、今、最優先で取り組むべき課題として次の三点が挙げられました。

  1. 厚生労働省の解体
  2. 財務省による消費税推進勢力の打破
  3. WHO支配からの離脱

現在の日本は、これまで以上に深刻な「大混迷の時代」にあります。しかし、林先生は「今が大底(どん底)であり、ここから反転攻勢に出るチャンスが来ている」と述べられました。

このままでは日本は確実に中国に呑み込まれる――そんな危機感を講演会の参加者全員と共有されていたのが印象的でした。

私の感想

林千勝先生の講演を通じて、戦後の日本がどのように意図的に破壊されてきたのか、その構造を改めて理解することができました。
ウォール街や国際金融資本による支配のもとで、中間層が解体され、人口が減らされ、消費税が増税され、家族制度まで破壊されてきたという現実は、想像以上に深刻です。

近現代史研究家としての視点に裏打ちされた論理的で冷静な分析から、私たちが見落としがちな構造的問題に気づかされました。これから日本人一人ひとりが「今この時代に何をすべきか」を問い直すことが必要だと痛感しました。

参議院選挙における投票の指標

――三輪和雄先生の講演より

三輪和雄先生は、現在の日本がまさに「火事場」であり、今こそ国民が「火事場の馬鹿力」を発揮する時であると語られました。特に、7月に予定されている参議院選挙については、政治への無関心や棄権が国を滅ぼす第一歩であると警鐘を鳴らしました。

たとえ支持する候補者がいない場合、無効票であってもまずは「投票所へ足を運ぶ」ことが重要だと強調されました。それ自体が政治への意思表示であり、国民としての最低限の責任なのです。

そのうえで、候補者を選ぶ際の基準として、次の4つの視点が挙げられました。

  • 男系男子による皇統を守る
  • 消費税の廃止または減税を掲げているか
  • 対中国に対して明確に「NO」と言えるか
  • 夫婦別姓やLGBT推進に反対しているか

これらの視点は、単に政策の問題にとどまらず、子どもたちの未来だけでなく、我々自身の生存がかかっている重要な問題だと先生は訴えました。

私の感想

三輪先生の講演は、まさに「緊急事態」を訴える強い声と迫力に満ちており、その言葉一つひとつに切迫感がありました。
日々のニュースや政治動向を「他人事」として見るのではなく、自分自身の生き方や未来に関わる問題として敏感に感じ取り、行動につなげていくことの重要性を痛感しました。

選挙は単なる儀式ではなく、自分の意思を示す場であり、主権者としての責任そのものであり、その重みを改めて認識する貴重な機会となりました。

英霊に誓い、日本を取り戻す戦いへ

――佐波優子さん・水島総社長の講演会締め括りの言葉より

講演会の最後には、主催者であるチャンネル桜の水島総社長と、司会を務めた佐波優子さんから、会を締めくくるお言葉がありました。

水島総社長は、国がここまで壊されながらも、それでもなお立ち上がろうとする人々がいる――その姿に希望を見出すと語られました。形式的な「主権回復の日」にとどまらず、私たちが本当に忘れてはならないのは、国の未来のために命を賭けた英霊たちの想いであると、強く訴えられました。

そして、日本人が再び立ち戻るべきは「本来の精神性」だと指摘されました。
それは、自然への畏敬、祖先への感謝、そして皇室と国民をつなぐ信仰心といった、日本人ならではの心の在り方です。これを取り戻すことこそが、真の意味での「日本再生」に他ならないのだと説かれました。

もちろん、核武装や自主憲法といった現実的な政策も重要ですが、最も大切なのは、「日本人が日本人としての心を取り戻すこと」だと、締めの言葉を結ばれました。

講演会に参加して――私の全体的な感想

今回の講演会に申し込んだ理由は、決して「主権回復を実現するために何かをしなければ」という高い志からではありませんでした。むしろ、登壇される著名な先生方に直接お会いできる機会だという、正直なところ軽い気持ちからの参加でした。

ところが、会場に足を踏み入れた瞬間、空気が一変しました。安倍元総理の遺影が掲げられ、開会の国歌斉唱に合わせて、自然と背筋が伸びました。そして次々と登壇される先生方の講演に触れるうちに、自分自身の思考が深く引き込まれ、次第に崇高な感情へと導かれていくのを感じました。

「主権がない状態」とは一体どういうことなのか――それは、自分の家の敷地に見知らぬ人が入り込んで居座っていても、「ここは自分の土地だ、出て行け」とすら言えない状況です。本来ならば誰しもが当然のように拒絶するこの状態を、日本は異常なまでに受け入れてしまっているのです。

こうした現実に対し、私たちが何をなすべきか。そのヒントとなる言葉が「草莽崛起(そうもうくっき)」です。
この言葉は、江戸時代末期に吉田松陰が唱えたもので、「志を持つ無名の庶民が一斉に立ち上がり、大きな変革を成し遂げる」という意味を持ちます。今の日本にも、この草の根からの覚醒と行動が求められていると痛感しました。

今は、確かに「どん底」の時代かもしれません。けれども、その現実に気づいた瞬間から、反転の力が芽生え始めます。一人ひとりが立ち上がり、真実を広め、声を上げていくことで、この国は必ず変わると私は信じています。

そして何より、日本人としての誇りと覚悟を胸に、次の世代へとこの国の尊厳をつないでいきたい――そう強く心に誓った一日でした。

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