田母神俊雄氏による講演会

はじめに

2024年10月12日、飯田市で開催された田母神俊雄氏によるセミナーに参加しました。本記事では、その講演内容をもとに概要をまとめます。

田母神俊雄氏は元統合幕僚学校長としての豊富な経験を持ち、私たちが忘れがちな重要な点について鋭い指摘をしていただきました。講演では、主に現在の日本の問題点として、政治、経済、そして軍事を中心に語られました。特に戦後の日本が二度と立ち上がれないよう、GHQがどのように日本を徹底的に弱体化させたか、また、米国に対抗できない政治家たちが日本を悪い方向へ導いてしまった現状について強調されていました。

田母神俊雄氏の講演会内容

1) 日本経済についての考え方

田母神氏が特に強調していたのは、経済の問題です。戦後、日本を弱体化させるためにGHQが仕組んだ様々な制約の中でも、憲法9条とセットで財政法第4条が日本の国債発行を自由にできない仕組みを作り上げた点を指摘されました。その結果、戦後の日本の政治家はワシントン、北京、そして財務省に忖度せざるを得ない状況に置かれ、これが日本の弱体化に繋がっているとのことです。国債発行によって国民の生活を豊かにするのが本来の政治家の役割であり、国家の財政を豊かにすることは、逆に国民の生活を貧しくする可能性があるという指摘です。現在の政府が進めているプライマリーバランスの黒字化政策は、国家の財政を豊かにする一方で増税を行い、結果として国民を苦しめているという主張です。田母神氏は、誤った貨幣観が財務省により植え付けられ、日本の成長力が損なわれていると警鐘を鳴らしていました。

2) 防衛に対する考え方

国家が自立するためには、軍事力が不可欠です。国を守るということは、他国に依存せず、自立した国家を築くことに他なりません。戦後の日本外交はアメリカに依存してきた面が強く、外交の本来の目的である国益の最大化が十分に果たされていないのが実情です。外交とは、時に他国が嫌がることをしてでも自国の利益を守ることが本質であり、単に外国と仲良くすることが目的ではないのです。また、核保有国に対しては、相手が攻撃を仕掛けてこない軍事力こそが抑止力となるため、平和を保つためには軍事力、特に核抑止力を持つことが必要だという一貫した考えを持っておられました。そのため核抑止力に関する議論は今後も欠かせないと強調されていました。

3) 自虐史観からの脱却

田母神氏は、長い歴史と豊かな伝統文化を持つ日本が、戦後の学校教育やメディアの影響で、自国を否定するような自虐的な歴史観が刷り込まれてしまったことを問題視しています。講演の中で「これから日本が強く豊かになるためにはどうすれば良いか」という質問がありましたが、その答えとして田母神氏は「正しい歴史を知ることで、国家観や歴史観を取り戻すこと」が必要だと答えました。まずは本当の歴史を知り、日本が直面している国際的な現状を多くの人が理解することが重要であるとし、そのためにも日常的な情報収集と国民の投票行動が鍵を握るという認識を共有できました。

講演会に参加した後の私の見解

1) 日本の選挙について

講演会が選挙の時期に重なっていたこともあり、政治について改めて深く考える機会となりました。多くの人は、あまり深く考えず、単に人間関係や仲間意識を優先して投票しています。その結果、国民生活が搾取され続けているにもかかわらず、我慢するしかないという思い込みが広がっているように感じます。「この人を知っているから」「この団体に所属しているから」といった理由で、投票先が常に既存政党に固定されることで、既得権益を持つ政党が有利な状況が続いているのです。

ここに、今の政治の問題点があると感じます。投票は自らの生活を改善するための最も重要な権利行使の場であるにもかかわらず、現状では多くの人が反対方向へ向かう投票行動をしてしまっているのが実態です。また、多くの人が投票そのものを放棄してしまっています。投票しないことは、結果的に支配者層の意のままに従うことを容認する行為に等しいのです。現状を打破するためには、自分自身が他者の意見に惑わされず、主体的に行動することが必要です。

選挙で重要視すべき争点は、国民生活を豊かにする減税政策が掲げられているか、そして流行病のワクチンによる被害に対して誠実に対応しているかどうかだと考えます。

2) 政策の図解

参政党が示している政党の立ち位置を図解したものは、非常に参考になります。現在、アメリカやヨーロッパでは保守的な反グローバリズムの流れが強まっていますが、日本ではリベラルでグローバリストの政党が多い状況が続いており、これは大きな問題です。このため、なんとなく投票を行うと、知らないうちに日本を破壊する方向に進んでしまう危険性があります。

特に、緊縮財政とグローバリズムの政策を取り続けてきた自民党に任せた結果、特に岸田政権以降、日本は危機的状況に陥っています。この現状を理解すれば、自ずとどこに投票すべきかが見えてくるはずです。

まとめ:心構えは、脱奴隷の生き方・自立

田母神俊雄氏の講演でも指摘されていたように、私たちはメディアを通じて知らぬ間に思考を制限され、自ら考えることを放棄し、まるで「奴隷」のような状態に陥っているかもしれません。この問題について考えるのに最適な一冊が『18歳からの脱奴隷論』です。この本は、民主主義の原理原則を解説した「民主主義の教科書」とも言える内容です。特に、P206に記されている「依存する心を捨て、独立する者たちが、民主主義を変えるのです」という言葉が印象に残りました。

混迷する現代において、私たちは支配層が行っている、つまり戦後の支配体制を通じて国を壊している仕組みに従わないという意思を示す必要があります。要するに、個々がしっかりと考え、自動的に与えられた社会の「ベルトコンベア」に乗ってしまわないことが大切です。また、自分たちは何ができるのか、何ができないのかを見極め、社会の流行に流されるされることなく、自分自身の幸せを見つけていくことが重要だと考えます。

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