4月13日ゆりさん主催「LOVE SPECTRUM」チャリティーイベント参加

はじめに

 <イベントの概要と目的>
 4月13日、ロサンゼルス市の警察官であるゆりさんが主宰するNPO法人「LOVE SPECTRUM」が、東京で決起チャリティーイベントを開催しました。このイベントは、性虐待や人身売買の闇と闘うための活動資金を集め、被害者支援や啓発活動を行うためのものです。
ゆりさんが、登壇者の方々と共に、アメリカでの経験に基づき、日本でも深刻化する「性被害」の現状を伝え、子どもたちを守るための決起集会としての意義を持つイベントでした。それぞれの強い思いを胸に立ち上がった方々のお話を伺うことができた、貴重な機会となりました。
Love Spectrum のwebsite →  https://lovespectrum.org/

人身売買と性被害の実態~アメリカの実情

ロサンゼルス市警のゆりさんによるアメリカの現状説明がありました。 

子どもが商品として扱われる現実・・・アメリカでは、親が実の子どもに危害を加えるケースや、子どもを地下に監禁して性加害を行う事件、また人身売買も存在します。 性被害の手口としては、子どもを長期間にわたりターゲットとして行動を監視し、隙を見て自宅に侵入し暴行するケースも報告されています。これはアメリカや他の国で起こっている現実であり、「日本は関係ない」と思われるかもしれませんが、海外で起こっている現実が日本で起こらないという保証は一切ありません。だからこそ、NPO法人「LOVE SPECTRUM」を立ち上げたのです。 アメリカにおける性被害の現状としては、46万人の性被害者がおり、そのうち女性は5人に1人、男性は70人に1人が被害に遭っています。2分に1人が性被害に遭っている計算になります。 子どもは親に言ったら叱られるのではないかといった心の葛藤を抱え、言い出せないケースも多く存在するそうです。

登壇者の方々のさまざまな証言・意見

今回のイベントでは、被害者本人や関連の施設で働いている方の証言、日本の現状、などさまざまな視点からの話を聞くことができました。以下それぞれの登壇者の意見を順に紹介していきます。登壇者の発表とともにゆりさんが、時々コメントで応じるといったスタイルで進行しました。

塚原たえさん

塚原たえさんは、家族から受けた性被害の実態を語っていただきました。3~4年前、文藝春秋の記事にその実態が取り上げられた被害者であるたえさんご本人から、その生々しい被害の実態について、お話をしていただきました。 塚原さんは12歳の時、父親から性的暴行を受けました。母親はその行為を止めることなく傍観していたといいます。また、弟さんも同様の性的虐待を受け、29歳で自ら命を絶たれたということです。 そして、様々な心の葛藤を抱えながら被害の経緯を警察に話したものの、警察も加害者を守るような対応で、事件を受理してくれなかったそうです。さらに、裁判所も子供を守ろうとしない判決を出してしまったということです。

ここで、主催者のゆりさんは、”日本に根付くロリコン文化や、警察・司法における人権尊重の偏りが、子どもを守れない社会構造を生み出している”と強く指摘されました。

ゆりさんは、子どもを性被害から守るためには、性教育を早期に始めることが重要だと提案されました。具体的には、幼い頃から「パーソナルスペース(自分の身体の境界)」を大切にすることを教えたり、絵本などを活用して可愛らしい表現で性教育を行うことで、子どもたちが抵抗感なく「性の大切さ」や「自分の身体を守る意識」を自然に身につけられると話されていました。

アメリカでは、性教育は幼少期から実施され、自分の身体を大切にする心を育むことが当たり前となっているそうです。

また、ゆりさんは、子どもの性被害の加害者は、再犯率が非常に高いことにも触れられました。性犯罪の加害者は、麻薬と同様に一度その行為に及ぶと自力でやめることが難しいとされており、この問題は世界共通の深刻な課題であると強調されていました。もちろん、日本も決して例外ではないという現実があるとのことです。

及川幸久さん

YouTuberとしても国際情勢を中心に幅広い情報発信を行っている、及川幸久さんからは、グローバリズムの観点から「人身売買」や「悪魔崇拝(サタニズム)」の実態についてのお話がありました。

及川さんによると、現在の世界を裏で支配していると言われる「グローバリスト」たちは、組織的に女性や子どもをレイプし、人身売買を行っているといいます。そしてその市場は今や巨大な組織犯罪と化し、グローバリストにとって世界最大級の資金源のひとつになっているとのことです。

また、彼らの信仰の根底には「サタニズム(悪魔崇拝)」が存在し、その儀式では動物を生贄にするような行為も行われてきた歴史があります。この悪魔崇拝の文化は、古代バビロンやローマ・ギリシャ時代から続いており、決して過去のものではないといいます。

現代においても、サタニズムはスピリチュアルの世界の「ピラミッドの頂点」に位置づけられ、世界の一部の権力者たちの間で密かに続けられていると言われています。

そして何より重要なのは——こうした悪魔崇拝や人身売買の構造は、海外だけの話ではなく、日本においても決して例外ではないという事実です。
私たちがこの現実から目を背けず、きちんと認識することが何より大切だと強く感じさせられるお話でした。

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EXIT JACK」ことマンペーさん

タイ・バンコクを拠点に活動し、「EXIT JACK」としてYouTubeなどで発信を続けているマンペーさんからは、海外で実際に起きている人身売買の事例について紹介がありました。

特にネパールやラオスなど東南アジアの貧困地域での事例が取り上げられました。

これらの地域に共通するのは、
・情報が極めて少ないこと
・教育が十分に行き届いておらず、文字の読み書きができない子どもたちが多いこと
・そして極度の貧困に苦しむ家庭が多いこと

こうした状況の中で、子どもたちは騙されやすく、あっという間に人身売買のターゲットにされてしまう現実があるのです。

この話を聞いて「そんなことが本当にあるのか」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、こうした事実を知ることで、「人身売買」は決して海外の遠い問題ではなく、日本国内でも十分に起こり得る身近な危機であることに気づかされます。

現実を知ること——そこからすべてが始まる。
そう強く感じさせられるお話でした。

深田萌絵さん

YouTubeなどを通じて幅広い言論活動を行っているITビジネスアナリストの深田萌絵さんは、ご自身の若い頃の実体験について語られました。

深田さんが20歳前後だった頃、友人と一緒に夜の街でお酒を飲んでいた際、友人が睡眠薬の入ったお酒を飲まされ、レイプ被害に遭うという衝撃的な事件が起こったそうです。

被害にあった友人から、「警察に届け出をしてほしい」と頼まれた深田さん。
勇気を出して警察に行ったものの、そこで直面したのは、警察がまともに取り合ってくれないという厳しい現実でした。

「助けを求めても、助けてもらえない社会」
「被害者が安心して声を上げられない日本の現状」

深田さんは、この体験を通して、日本には被害者を守るための本当の意味で安心できる環境がまだまだ整っていないことを痛感したと、涙ながらに語られていました。

被害に遭うことも苦しいことですが、それ以上に「声を上げても助けてもらえない」という現実が、人々の心をさらに深く傷つけていることを改めて考えさせられるお話でした。

原口一博衆議員議員

原口一博議員からは、日本でも深刻化している「子どもの行方不明者問題」についてのお話がありました。
日本では今でも、毎年1100人以上もの子どもたちが行方不明になっている現実があるそうです。

欧米では、被害に遭った人が声を上げることが当たり前の文化として根付いています。
しかし日本では、周囲の目を気にして声を上げられず、泣き寝入りを強いられてしまう人が多いのが現状です。
こうした背景には、日本社会特有の「沈黙の圧力」や、「被害者が声を出しにくい空気」が存在していると指摘されました。

また、日本の子どもたちは教育レベルが高く、海外の人身売買の市場では「高値で売られる対象」にされるケースもあるというショッキングな事実も語られました。

原口議員は、これまで児童虐待防止法の成立(2002年)に尽力し、行方不明児童の問題に取り組んできた方です。虐待を受けた子どもは「frozen eye(フローズン・アイ)」と呼ばれる症状になり、恐怖やショックによって目が固まり、物事をしっかりと認識できなくなってしまうことがあると説明されました。

また、R.F.ケネディJr.氏が提唱する「challenged(チャレンジド)」という言葉――これは「障害者」という表現ではなく、「様々な課題に向き合う人」という尊敬の意を込めた言葉として、世界的に広がりつつあるそうです。

さらに、日本でなぜ性虐待事件やジャニーズ問題がなかなか表に出ないのか、その背景についても言及されました。
日本のメディアや権力構造が、特定の権力者同士で互いに庇い合い、情報を隠蔽する体質が根深く存在しているという現実。これこそが、問題解決の大きな壁になっていると警鐘を鳴らされていました。

最後に、ゆりさんから、力強いメッセージがありました。

「人身売買は極悪犯罪であり、必ず根絶しなければなりません。そのためには、一人ひとりがこの問題を正しく認識し、知ることが何よりも大切です。」

私たち一人ひとりの問題意識こそが、子どもたちを守る最初の一歩なのだと強く感じさせられる言葉でした。

中村一也さん

続いて登壇されたのは、中村一也さん。
ジャニーズJr.の一員として活動していた少年時代に、自らが受けた性被害の経験を語ってくださいました。

中村さんは2000年、13歳の時にジャニーズ事務所に入所。レッスン後などに、ジャニー喜多川氏の自宅に他のメンバーとともに宿泊することが度々あったといいます。

そして2002年10月、東京ドームで行われたコンサートにバックダンサーとして出演した帰り、その日の宿泊時に初めて性的被害を受けたとのことです。

その後、心身の苦しさからジャニーズ事務所に通うことができなくなり、半年後に退所。
退所時には特に事務所からの引き止めはなかったものの、後日、仲の良いメンバーを通じてジャニー喜多川氏から連絡があったものの、これを拒否したそうです。

このような自身の経験を公の場で語ることは、大きな勇気と覚悟が必要だったはずです。
中村さんは、同じような被害が二度と繰り返されないようにと、自らの体験を発信し続け、性被害の実態を社会に伝える活動を行っています。

また、日本の被害者救済制度には多くの課題があると指摘されていました。特に「時効制度」が存在することで、被害を受けた側が声を上げられない、または時間が経ってから告発しても救済されないという問題に直面することが多い現実。

被害を声に出すことの難しさ、そして声を出しても救われない現状。この構造を変えるためにも、中村さんは「時効撤廃」や「法改正」の必要性について、強い言葉で訴えかけておられました。

国森瑛心佳さん

国森瑛心佳(くにもり えしんか)さんは、大阪を拠点に活動されているセラピストで、「Kirana(キラナ)salon&office」という根本療法サロンを運営されています。今回のイベントでは、国森さんが児童養護施設の現状について語ってくださいました。

児童養護施設に入ってくる子どもたちの多くは、家庭に居場所がなく、親に見放されたり、児童相談所に保護されたりした子どもたちです。また、学校という枠組みに馴染めず、居場所を失ってしまった子どもたちも多くいるそうです。

しかし、児童養護施設で暮らせるのは18歳まで。その後は住む場所や仕事がないまま社会に放り出され、多くの子どもたちが風俗や水商売といった道を選ばざるを得ない厳しい現実があるといいます。

こうした状況に対して国森さんは、子どもたちが自分で「人生の選択ができる力」を身につけられるような育て方の重要性を訴えられていました。

例えば、ワクチンを打つか打たないかといったことも、自らの意思で決められる大人になることが大切。周囲に流されるのではなく、自分の人生を自分で選択し、進んでいける強さを育てていかなければならない——そう力強く語られていました。

カウアン・オカモトさん

カウアン・オカモト(Kauan Okamoto)さんは、日本とブラジルで活動するシンガーソングライターで、元ジャニーズJr.のメンバーです。
2012年、ジャニー喜多川氏から直接スカウトを受けてジャニーズ事務所に入所しましたが、自身の音楽活動を追求するため、2016年に退所しました。

そして2023年4月、日本外国特派員協会で記者会見を開き、自らがジャニー喜多川氏から受けた性加害について、実名で告発。日本社会に大きな衝撃と反響を与えました。

告白に至るまでには、計り知れない葛藤があったといいます。沈黙を貫けば守られるかもしれない。しかし、真実を語れば潰されるかもしれない——。その恐怖や不安と向き合いながら、最後にたどり着いた答えは「自分を許すこと」、そして「相手を憎まないこと」だったそうです。

過去の出来事に縛られるのではなく、自分自身を許し、その経験を力に変えていく。
憎しみで返すのではなく、誰かを幸せにする生き方を選びたい。カウアンさんは、そんな思いを静かに、しかし力強く語られていました。

ここで、ゆりさんは印象的な言葉を紹介してくれました。

「欧米では、被害者という言葉はあまり使いません。代わりに”Survivor(サバイバー)”:『生き延びた人』『乗り越えた人』と呼ぶのです。

過酷な経験を語り、誰かの役に立つ人生を歩むこと。それこそが、自分の人生を取り戻し、勝ち取った証でもあるのです。

最後に私が感じたこと

今回のイベントを通じて、私自身、「人身売買」や「性被害」の問題は決して海外だけの出来事ではなく、まさに日本の深刻な社会問題であることを痛感しました。
悪魔崇拝や人身売買の構造は歴史的に受け継がれ、今なお世界各地で続いている現実。日本もその影響下にあり、決して無関係ではないことを知り、これから自分に何ができるのか、真剣に考えさせられました。

また、私自身が関わる教育の現場でも、大人になる過程で子どもたちの心はたくさんの葛藤を抱えていることを改めて意識する必要があると感じました。
一人ひとりの生徒が抱える背景や心の状態に寄り添い、小さな異変にもいち早く気づける存在でありたいと強く思いました。

今回のセミナーで登壇された皆さんは、自らの壮絶な体験を勇気を持って語り、子どもたちを守るために行動されている、まさに日本を守る戦士たちだと感じました。

メディアによって「平和な日本」という幻想に浸かってきた私たちですが、こうした現実に目を向け、一人でも多くの人が現状を正しく認識することが、社会を少しでも良い方向へ変えていく大きな一歩になると信じています。

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